持続化給付金の対象が広がりました

2020年7月29日補助金・資金調達

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鳴り物入りで始まった持続化給付金。受付当初の混乱や、実態不明の会社が間に入っていたり、いろいろ物議を醸していましたが、最近落ち着いてきた感があります。

返済不要の補助金を受け取れるという点で、コロナの影響を受けている事業者にとって、これほど有難い制度はありません。

走り出し当初は、前年度との比較での売上減少が要件になっていたので、制度設計はシンプルで、それでいて個人で100万円、法人で200万円と、他の補助金制度と比べても、これほどイージーでインパクトのある制度はないと言えます。

ただ、この前年度との比較という点がミソで、最近起業した人や、そもそも事業所得として申告してこなかったフリーランスの方から不満が噴出することになります。

 

給付対象の拡大

そこで、6月下旬になって、当初の制度設計に見直しが入りました。

ただ、その分、制度は複雑になりました。

特に、従前は手元にある資料のみをアップロードしておしまいだったのに、税理士の署名が必要となる資料が追加されたりしています。

また、給与所得や雑所得で申告していた個人のフリーランスの方は、国民健康保険の加入有無が要件になるなど、従前ならスルーしていた点が新たに加えられました。

 

税理士の署名

2020年に開業しても給付金がもらえる要件とは、下記の2点を指します。

  1. 開業日が2020年1月~3月、かつ、開業届が2020年5月1日以前であること
  2. 開業月から2020年3月迄の月平均売上が、4月以後で50%以上、下回っている月があること

前年度の決算が終わっている個人・法人であれば、確定申告書や法人事業概況説明書が客観性のある対比資料として存在していましたが、今年創業した方は、これがありません。

そこで、上記2要件を証明する客観性のある書類として、税理士が署名した申立書が必要とされる訳です。

ただ、当初の制度では、売上が減った月に関する書類は、書式自由の自作資料で、これは今も変わっていません。

なので、この点に対する客観性はそもそもなかったのですが、今年創業した方は、この点もセットで証明を受ける必要があるという点で、要件が加重されているように思えます。

この税理士署名の費用ですが、さっとググった感じでは、スポットの依頼だと5万円前後のようです。

 

国民健康保険の加入有無

従前の制度にはなかった点です。

税務申告は、あくまでも税務的な観点から所得を分類、申告する制度ですから、雇用形態や法的観点から被雇用者、フリーランスを区別するものではありません。

この点の制度の隙間にいたフリーランスの方が、今回の給付対象拡大の対象となる方々です。

ただ、いくら税務的な申告区分が実態を表していないとしても、無制限にフリーランスの認定をしていては、あらゆる個人が給付申請してこないとも限りません。

現に、被雇用者であるにも関わらず、事業所得として申告した分の減少をもって、不正受給したケースがニュースにもなっていました。

これを防ぐ観点からか、被雇用者ではないことを確認するために、国民健康保険(フリーランスが加盟する健康保険組合を含む)の加入有無が要件に加わったと考えられます。

私の場合、自分で設立した会社が全国健保に加入しているので、残念ながら給付対象からは外れます。

この点、国民健康保険に加入しておけばよかったのかと言えば、国民健康保険はお高いので、長期で見た場合、あまりお得ではありません。

仕組みが複雑になりましたが、都合のいい解釈はせず、要件に合わなければ、諦めましょう。